介護福祉士国家試験の解説 25 社会福祉援助技術(演習を含む)

社会福祉援助技術>

問題 29 個別援助技術の原則に基づく対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 居室に行くとEさんが「誰にも言わないでね。実はお腹が痛むのだけど、あなたの顔を見ると痛みもなくなるわ」と言ったので、誰にも話さないようにした。
2 朝食中、パン食希望のFさんにいつものコーンスープを出すと「今日はみそ汁がよい」と言ったので、「パンのときは、いつもこのスープでしたよ」と対応した。
3 一人暮らしのGさん宅を訪問したとき、Gさんが「死にたい」と言ったので、「そんなこと言わないで下さい。私も頑張るからGさんも頑張って下さい」と答えた。
4 ナースコールでHさんの居室に行くと「あんたは嫌いだから違う人を呼んで」と言ったので、「なぜですか、私のどこが嫌いなのか教えてください」と尋ねた。
5 外出前のJさんに、「どちらのカーデガンがいいですか」と尋ねながら、Jさんに決めてもらうことにした。 

正答 5

1 利用者の健康にかかわる情報は、医療職に連絡しまた介護職員間で共有することが望ましい。上記設問の場合、誰にも言わないことで取り返しのつかないことになる場合もあるので、いつから、どのように痛むのかという簡単な問診を症状を把握し、場合によっては受診の同意をとるように努めたいところです。「守秘義務」を優先しないことがこの設問では肝要です。
2 設問の対応では言外にスープを勧めているような対応ですね。せめてFさんが「みそ汁がいい」と言った理由を聞いてみることが望まれます。
3 「死にたい」と言っているのだから気分的に落ち込んでいることが伺われます。また、うつ病であることも考えられます。落ち込んでいる人やうつ病の利用者には激励はひかえ、Gさんの落ち込んだ気持ちに共感する関わり方を求めたい。
4 設問のようにあからさまに言われると、落ち込む介護者の方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。気持ち的には、狼狽しながら設問のように「なぜですか・・・」と迫りたい気持ちも理解できなくもありません。しかし、ここはHさんの用件を先に済ませられるように配慮するのが望ましと思います。
こういう「あんたは嫌い・・・」と迫る場合、嫌っているというより関心があるということかもしれませんので、過度に落ち込むのは避けたいところです。
5 正答。カーディガンの選択肢を示して利用者本人に決めてもらうことは自己決定や主体性の尊重にもつながる対応です。